Oral Surgery
口腔外科
噛み合わせのバランスが崩れると、顎関節症などお口の中のことだけではなく、全身の健康に影響が現れます。筋肉のバランスが崩れるため姿勢が悪くなり、頭痛や肩こりをはじめ内臓にまで影響を及ぼし、様々な疾患を引き起こすこともあります。私たちは、これらのことを予防していく歯科治療を推進しております。
噛み合わせを整えるには、その場だけの対症療法ではいずれまたトラブルが出てしまう可能性が高いので、「何故そうなってしまったのか?」「ここに至る原因は何だったのか?」を考え、「どうすれば元の状態に近付けられるのか?」を現状で出来得る限り理想の状態を再現していくことをゴールと捉え治療を進めていきます。
歯のこすり合わせ(グラインディング)
歯の噛みしめ(クレンチング)
歯を鳴らす(タッピング)
TCHとは、Tooth Contacting Habitの略称で、「歯列接触癖」のことです。
通常、人は安静時には上下の歯が離れるもの。発音、食べものを噛むとき、食べ物などを飲み込むときなどによる正常な歯の接触時間は、1日およそ20分とされています。これらのタイミング以外にも、上下の歯が無意識のうちに接触することで不調をきたすのがTCHです。
顎関節症とは、顎の関節やその周囲の組織に、痛みや筋肉痛、顎の開け閉めなどの動作に障害が出ることを指します。顎関節という骨組織だけを連想するのではなく、顎を動かす周辺組織の軟骨、靭帯、筋肉、神経系の機能と感覚の異常といえます。
女性が男性の2~3倍多く発症し、特に20歳代に多くみられる疾患ともいわれています。自然治癒する場合もありますが、痛みが長引いていたり、治るまでの期間を短くしたいなどの場合は、歯医者さんに相談して治療を受けることをおすすめします。
・口を動かす時、痛い
耳の前の顎関節がある所が痛んだり、片側の顔から頭までが痛むといったような症状
・顎を動かすときに音がする
カクカク、ザラザラ、ギシギシ等の音がする
・口が大きく開けない
顎関節内部に問題がある場合、あごの動きを制限するような組織の変化が起きており、その結果、顎関節症を引き起こしている可能性がある
・噛み合わせが急に変化した
関節や筋肉に問題がある場合、顎の動きを変えてしまうため、噛み合わせが変わる
顎関節症のその他の症状は、頭痛、首や肩の痛みとこり、耳鳴り、難聴、めまい、舌の痛み、味覚異常、口の中の乾燥感などがあります。
しかしこれらの症状は顎関節症以外の病気の場合もありますので、慎重な判断が必要となります。
姿勢が悪いと顎がずれてきます。特に猫背ですと顎が顔に対してどんどん奥に入っていくので顎が開けにくい状態となります。
食べ物を片側の歯で噛むことが多い、頬杖をよくつくなどをしていると、片側の顎に負担がかかりやすくなるので、結果として顎がずれていきます。
ストレスにより、無意識に歯ぎしりや食いしばりをしている方が多いそうです。歯ぎしりや食いしばりは筋肉の緊張や疲労の原因となり、顎のバランスが悪くなります。そのため、顎関節症になりやすくなります。
転んだり、物にぶつかったりなど外側から顎に大きな力がかかってしまうことで、顎関節症になってしまうことがあります。顎は上顎を含む頭蓋骨にぶら下がっているような構造になっているので、外側からかかる力に弱く顎がずれやすくなっています。
吹奏楽、合唱、演劇など顎の関節に負担がかかる活動、口を大きく開けることが多い活動をしている方でも発症しやすいです。しかも発症した後も無理をして活動を続ける方が多く、症状がますます悪化し治癒が難しくなるケースも少なくありません。
顎関節症のほとんどは、外科的な手術を行わない保存的療法だけで治療することができます。主流となっている治療法をご紹介します。
運動療法
口をまっすぐ開けたり、大きく開ける練習(開口訓練)をするなど、顎の運動を行います。
マウスピース
噛み合わせの状態と顎関節症との関係を確認したうえで、マウスピースを作ります。就寝中に装着することで、顎関節周辺や咀嚼筋の緊張をやわらげることを期待します。
スプリント療法
歯を覆って顎の関節を本来の位置に誘導するために装置を使用します。スプリントは、噛み合わせを安定させたり、歯ぎしりや食いしばりによって顎関節や筋肉にかかる負担を軽減させます。
薬物療法
筋肉や靭帯の炎症による痛み止めや、筋肉の緊張を和らげる薬などが用いられます。また、ストレスが原因の場合は、精神面に作用する薬が用いられることもあります。
矯正治療
顎関節症は顎のずれが原因です。顎を正しい位置に戻すために、多くの場合、矯正治療になります。
くいしばり・はぎしり・姿勢・ストレスなど、顎関節症のほとんどは生活習慣が原因です。歯科医院での治療と並行して自分自身でも見直すことによって、顎関節症の改善につながることが期待されます。
口内炎を始めとした口腔粘膜のできものや怪我などは口腔外科で診療しています。
口腔粘膜とは、歯以外のお口の中の部位を広く指します。お口の中には歯の詰め物・被せ物や入れ歯、食事などの刺激があり、汚れやすい状態にあります。そのため、口内炎などの舌・頬・歯肉・口蓋などの粘膜にできた病変など、様々な症状が現れるのです。
下記のような症状が疑われる場合は当院にご相談ください。
口の中の粘膜が赤くただれ、舌や粘膜に小さな潰瘍ができる症状です。触ると痛みを感じます。
歯茎、粘膜、顎の骨などにできもの(腫瘍)ができる症状です。その腫瘍に痛みや刺激を感じる場合も含みます。
舌や歯肉に炎症、潰瘍などの症状がみられないのに、舌がピリピリとしびれたり焼けるように痛む症状。
事故や転倒で激しくぶつけて、歯がぐらついていたり抜けてしまったり、口の中を怪我した場合。